商業登記とは
商法や会社法などの法律で定められた、会社などにおいて登記すべきと定められた事項(社名、所在地、役員、目的、資本金の額など)を登録し、一般に公示する制度のこと。
そもそも会社などは「法人」と呼ばれますが、「法人」とは、「法」律で特別に権利主体である「人」と認められた団体という意味です。
逆にわれわれ人間は法律上は「自然人」というのですが、生まれた瞬間に自然に「人」として権利主体になっているということになります。
では、権利主体とは何か。
具体的には売買契約を結ぶなどの法律行為を行うことができる存在であるということです。
つまり、会社も登記をすることにより、会社名で事務所を借りたり、パソコンを買ったり、商品を売ったりすることができるようになります。
登記されていることで売買契約の相手方などが登記事項を確認できるようになり、確認することで権利主体としての信頼性が高まり、より安全な取引につながるということになります。
ただ、会社はわれわれ人間と全く同じかというともちろんそうではなく、相続人になることはないし、登記された「目的」の範囲内でしか権利主体となることはできないなど、一定の制限もあります。
このように商業登記制度は重要な役割を担っていますが、登記されている内容と実際の会社の実情が一致していなければ、制度趣旨が没却され、取引の安全性が害されてしまいます。
そこで、商業登記についてはそれぞれ登記すべき期間が定められており、登記事項に変更があった場合は速やかに(原則2週間以内に)登記事項を修正する手続きをとらなければなりません。
仮に法律上定められた登記期間内に登記手続きをしなかった場合、会社の代表者は過料に処せられる可能性があります。